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マイスターのご紹介
REVIEW

古川 弘英マイスターレビュー

皆さま、お元気ですか?運営事務局のミッキーです。「マイスターレビュー」のコーナーも、今回で第4回目になります。
今回は、西麻布の日本料理店「ふるけん」の店主、古川弘英さんのインタビューを行いました。実はこのお店、パーティーマイスターの方々の行きつけのお店だったりします。味もさることながら、そのリラックスできる空間、古川さんの人柄に釘づけのようですよ。さてさて、お楽しみください!

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古川さん、本日はよろしくお願いします!最初に、インタビューするマイスターの皆さんにお聞きする質問ですが、この道を志したきっかけを教えていただけますでしょうか?
古川さん
よろしくお願いします。改まるとなんか緊張しますね(笑)。
きっかけといわれて思い出すのは、中学生の頃のことです。体調を崩していた自分に料理人だった叔父が、冷蔵庫のありあわせのもので美味しい食事を作って食べさせてくれました。その頃はインターネットもあまり普及しておらず、今のようにササっと調べたら誰でも簡単に美味しいものを作れるような時代ではなかったのです。
「こんな美味しいもの作れるのか~。やっぱり手に職をつけた方がいいなあ。」そんなふうに感じたのが、きっかけだと思います。
高校時代は料理に触れることもありませんでしたが、やはり料理人への憧れは心の片隅にあり、日本料理の専門学校へ進みました。フランス料理やイタリア料理は食べた機会もなかったこともあり、料理人=日本料理のイメージで迷わず選びましたね。

やはり料理人への憧れは心の片隅にあり、日本料理の専門学校へ進みました。

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専門学校への進学の後は、今の道へ進んでいくわけですね。
古川さん
専門学校時代は通うことに一生懸命でしたが、かといって将来のビジョンも余りなくて……。ファッションに興味があったので「アパレルに就職もいいかなぁ」なんて考えたりもしていました(笑)。
そんな感じではあったのですが、卒業後に日本料理店に入店し、日本料理を基礎から叩き込まれ、そこで自分の中で何かが確実に変わっていきました。高卒で入店した同じ年齢の先輩がいて、「そいつらには、負けたくない!」という気持ちが、何かスタートしたきっかけのような気もしています。
夜中に千枚漬を漬けたり、30kgのカラスミを作ったり、いろいろと作れるようになってくるとどんどん面白くなってきました。常に同じ味を提供できること、たとえばいつも綺麗なかつら剥きが出来ること、それがすごいことなのだとわかってきましたね。それに今思えば、良くも悪くも周りの人、つまり先輩だけでなく後輩のこともよく見ていたと思います。自分が、上の立場になった時のことを考えていたのかもしれません。
その後二店での経験を経て、現在に至るわけですが、それぞれの店で学んだことが本当にたくさんありました。二店目では料理の技術はもちろん、味・ロケーション・接客の3つが揃ってお客様を楽しませるということを、そして三店目の渋谷「食幹」では、個々の接客を通して「自分がお店を出すときのスタイル」を考えるきっかけになりました。

古川 弘英マイスター

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そんな中、独立するきっかけはどのようなものだったのですか?
古川さん
「食幹」のオーナー佐藤幹氏と二人で飲みに行った時に、今の物件の話を聞いたのが2009年1月7日。オープンが4月10日。実は準備期間が3カ月と言うスピードオープンだったんですよ。経営や接客といった仕事に対する考え方が一緒である佐藤氏が勧めるこの西麻布の物件、2週間悩んだ末に決断しました。
料理長をしていた自分を快く出してくれた佐藤氏には、とても感謝しています。それからオープンまでは死に物狂いで頑張りました。ここでは話せない話もたくさんありますが……(笑)。たくさんの方のご協力あって、オープンできましたね。

たくさんの方のご協力あって、オープンできましたね。

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ここでは話せない話もおもしろそうだなあ。そこはぐっと我慢して。(笑)
独立してお店を持った今のやりがいはどんなことですか?
古川さん
お金をもらっているのに、「ありがとう」と言ってもらえることですね。ただで食べて「ありがとう」「ごちそうさま」って当り前じゃないですか。それに、こんなに腐るほど店がある中で、うちの店を選んで来てくれるって、ホントに感謝していますね。
正直なところ、自分で店を出してからそういう気持ちが出てきました。他店での修業時代にはそこまで考えていなかったと思います。
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なるほど、格好いいですね。「ありがとう」や「ごちそうさま」って大切な言葉ですよね。逆にきついな、大変だなって思うことってありますか?
古川さん
それを言われて、パッと思い浮かぶことがないのですが……、しいて言えば人材育成は課題です。上の立場になって人を教育していく難しさを改めて実感しています。先ほどお話しした「ありがとう」の言葉もよく話します。「俺から給料もらっているわけじゃなくて、お客様から給料もらっているんだぞ!」って。「ありがとう」を言っていただけるお料理を作り続けていきたいなと思います。
また、食中毒や事故、クレームなど、起しちゃいけないことが一番怖いなって思いますね。生ものを扱っていますから、細心の注意を払っています。

「ありがとう」を言っていただけるお料理を作り続けていきたいなと思います。

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新しいお料理を作り出すのは大変だったりしますか?
古川さん
それは楽しい作業ですね。食べていただくお客様の顔を思い浮かべ、いろいろな素材の組み合わせを考えていくのが楽しいのです。
バチッと組み合わせがはまると、ホント嬉しいですね。うちの人気メニューで「ちぃ蒸し」というものがあるのですが、頻繁に来て下さるお客様の中でも、それが毎回食べたい方もいれば、そうでない方もいる。お客様とお話ししながら、そんなことを読み取ってお出しするのも楽しい仕事です。
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そんな「バチッとはまったお料理」をいただいているお客様は幸せですね。最後に、今後のビジョンなどお聞かせください。
古川さん
ビジョンなんて大げさなものではないのですが、西麻布の地に、もう一店舗出せたらいいなと思っています。西麻布って個室の需要が多いのですよね。だから、個室だけのお店なんていいかな。
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ふるけん2店舗目、楽しみですね。今日は、長い時間ありがとうございました!これからもよろしくお願いします。
古川さん
ありがとうございました。
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こつこつと積み上げてきた先に独立があったという古川さん。トレードマークの髭とその優しい笑顔、美味しいお料理にたくさんのお客様が集まってくるのがよくわかりました。皆さんもぜひ「バチッとはまったお料理」を召し上がってみて下さいね。作り方なども教えて下さるそうですよ。
実は、次回のM3というイベント企画ですが、古川さんにご登場いただくべく準備をしております。皆さん楽しみにしていてくださいね!

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