陶芸家・浅井 純介さん × IZUMIマイスター Vol.1
作品紹介解説:大森謙一郎氏
南房総市千倉町大貫。紅葉の名所としても知られる小松寺近くに、浅井純介氏の工房「海山窯」があります。訪れた日は連休も終わり、穏やかな日差しに包まれ、新緑がキラキラと輝いていました。
民家を改装した工房に入ると、今まさに制作中の作品が列び、ピーンとした緊張感が伝わってきます。作品が陳列している奥座敷に上がり、お話を伺いながら一品一品手に取り観ていると、楽しくなり、いくら時間があっても足りません。
浅井氏のお話のなかで特に印象に残ったことばがあります。 「陶芸の材料である土は可逆性が高い。握ればその握ったカタチになる。つまり、誰でも作ろうと思えばそれなりにカタチはできる。しかし、だからこそ、その人間の品性がそのまま現れる。」と。
穏やかな笑顔の中に、作品と向き合う作家の厳しさを感じずにはいられませんでした。
浅井氏の作品は、決して奇をてらったものではなく、むしろとてもシンプルなものが多いように思いました。そして、シンプルな中にも、ある種の気品のようなものが漂ってきます。
作った器にどんなお料理がどんな風に盛られるのか、その姿も想像しながら作ることがあると言います。 しかし、その想像を良い意味で裏切ってくれることが、とても楽しみでもあると、にこやかに語ってくれました。
浅井 純介(あさい じゅんすけ)
プロフィール
- 1945年 愛知県生まれ
- 1968年 早稲田大学卒業
- 1976年 愛知県立瀬戸窯業訓練校卒業
- 1981年 個展 ギャラリーOFF・名古屋
- 1987年 個展 西武工芸画廊・東京
- 1988年 千葉県千倉町に「海山窯」開窯
- 1995年 個展 桃居・東京(以後毎年)
- 1996年 個展 ギャラリーたむら・広島(以後毎年)
カテゴリー:アーティスト×マイスター コンテンツの記事一覧へ